2021.2.28

『花束みたいな恋をした』の話。わたしは基本的に恋愛映画が好きで、それは恋愛が極めて人間的行為だから。2回も観に行ったよ。暇なんだね。あんまり映画詳しくないから、適当なこと言ってるかもね。あとネタバレがあるので、お気をつけて。

 

ふたりは好きなものについては話すのに、好きな理由は話さない。お互いの価値観を知る機会って意外と少なくなかったのかもしれない。それに輪をかけて、社会人になってからは一層お互いのことを知る時間が減っていくので見てられなかった。何も話さなくても伝わる関係もあるけど、言葉が必要なときってある。いや、言葉でなくてもいい。コミュニケーションを取るべきだった。でも一歩踏み込むのって勇気がいるよね。誰かと一緒にいる方法は、お互いを理解し合うことだけではないけど、ふたりにとってはそうじゃないから。

 

わたしはふたりの共犯関係を応援したかった。それが恋でなくても、ふたりでいられるなら良いんじゃないか。自分ならそう思ってしまう。だから、ファミレスで家族になろうと言った麦くんが好きだ。自分が変わったことによって絹ちゃんとの関係が変わってしまったことに対して目を背けていたのも、ずっと一緒に居たかったからなんだと思うと悲しい。もちろん疲れていたのもあるけど。一方で、ふたりの関係に終止符を打ち、いちばん綺麗なところで物語を終わりにできる絹ちゃんが好きだ。アホみたいなことを言えば、楽しい時間は永遠じゃないけど、だからこそ、その時間を大事にすべきなんだよね。お互いに傷つけ合うことはあっても、相手のことを大事にしようとしてるところが好きだな。ふたりとも幸せになってほしくて、だからファミレスの前で抱きしめ合うシーンで咽び泣いた。幸せになろう。